こんにちは。Emi(@Emi07033909)です。
内分泌専門医試験対策に内分泌代謝科専門医研修ガイドブックから、重要事項や、過去に出題された内容をまとめてみました。
最新の対策は数年分の学会誌を読んでおきましょう。
参考文献はこちらです。
内分泌専門医に絶対合格したい人はこちらも必須です。
間違いなどあるかもしれません。参照は自己責任でお願いいたします!
副甲状腺機能低下症
補正Ca<8.5mg/dl
症状
Chvostek sign 外耳孔前方叩打⇒顔面けいれん
Trousseau sign マンシェット圧⇒助産師の手
鑑別
- 腎不全を除外 eGFR>30
- 低Mg血症を除外
- P <3.5mg/dl : 骨軟化症やくる病、
- 25(OH)D >15ng/ml:hungry bone syn. 骨形成性骨転移、急性膵炎
- 1,25(OH)2D <60 Vit依存症1
- >60pg/ml XLH, VitD依存症2
- 25(OH)D <15ng/ml ⇒VitD欠乏
- 25(OH)D >15ng/ml:hungry bone syn. 骨形成性骨転移、急性膵炎
- P >3.5mg/dl:PTH不足、PTH作用不良
iPTH>30pg/mlにもかかわらずCa↓P↑=PTH受容体異常
特発性副甲状腺機能低下症
Ca↓P↑eGFR>30, iPTH<30 vitD↓
尿細管リン再吸収閾値TmP/GFR↑(2.3-4.3)
皮下や大脳基底核石灰化
- CaSR活性型変異(AD)
- DiGeorge syn.(22q11.2欠失副甲状腺不全、胸腺低形成、心血管奇形)
- APS1型(Addison, カンジダ症 AIRE変異)
- PTH/GCMB異常
治療はビタミンD(アルファカルシドール/カルシトリオール)、グルコン酸カルシウム静注、Ca製剤は原則的に用いない(Ca↑尿Ca↑石灰化や結石、腎障害など)
偽性副甲状腺機能低下症
PTH>30
PTH:近位尿細管にてcAMP依存性にリン再吸収を抑制する。PTHが反応すれば尿cAMP↑尿P↑偽性では尿中のP反応がない。
Ellsworh-Howard試験
外因性PTHに対する尿中cAMP増加有無
- 型:PTHに対する尿P排泄反応陰性+cAMP排泄反応陰性
- ペプチドホルモンの受容体はG蛋白共役型が主で多くの臓器でGsα活性が半分低下した状態。PTH標的細胞(近位尿細管、下垂体、甲状腺、卵巣)のcAMP産生系に障害。
- 1aではGNAS GSα機能喪失型で全身性障害
- 1bでは腎尿細管のみ障害(上流のメチル化異常、imprinting障害)
- 1cではACに障害
- 治療は活性型ビタミンD(天然型を投与しても活性化できない) 尿中Ca/Cr<0.3に抑えることが尿路結石や腎保護に重要
- ペプチドホルモンの受容体はG蛋白共役型が主で多くの臓器でGsα活性が半分低下した状態。PTH標的細胞(近位尿細管、下垂体、甲状腺、卵巣)のcAMP産生系に障害。
- 型:PTHに対する尿P排泄反応陰性+cAMP排泄反応陽性=cAMPと無関係な尿細管障害
骨粗鬆症
女性に多い(80歳の50%)
骨変形によるGERDや心肺機能低下がみられる。
骨と糖尿病
骨密度:T1DM↓T2DM↑
骨質:T1DM→T2DM↓(by AGEsペントシジン、vitB6不足)
インスリン;骨芽細胞活性but also 骨細胞アポトーシス↑
検査
FRAX:年齢、BMI、飲酒、喫煙、大腿骨骨折既往歴
DXA:65歳以上では大腿骨骨密度の方が腰椎より有用性が高い(踵骨のエコーでは骨密度はわからないし、骨構造の推定にすぎない。骨密度では骨軟化症と骨粗鬆症は判断できない→骨生検が必要)
X線椎体骨折評価基準:Grade 1 <20%, 2<25%, 3<40%
診断
脆弱性骨折(椎体、大腿骨近位(転子・頚部))
その他(肋骨、骨盤、上腕骨近位、橈骨遠位、下腿骨)+YAM<80%
いずれもない+YAM<70%
YAM70-80% FRAX>15% or 大腿骨近位部骨折の家族歴
でいずれも治療を開始する。
骨折リスク増加
- SSRI,
- 性ホルモン↓
- ワーファリン、ヘパリン
- メトトレキサート
- 交感神経↑RAA↑=骨形成↓吸収↑ ⇒βblocker, ACEi/ARBは骨折リスク↓
逆にスタチン、チアジドも骨折リスク↓
骨細胞受容体
- 破骨細胞:カテプシンK(1型コラーゲン分解)RANK受容体、TRACP-5b
- 骨芽細胞:スクレロスチン(骨形成抑制)、RANK-L(RANKと結合=破骨細胞分化↑)
骨芽細胞に直接作用するのはPTH製剤のみ
ビスホスホネート 破骨細胞アポトーシス
RANKL破骨細胞分化妨害
カルシトニン 破骨細胞抑制
治療薬
治療効果は12ヶ月ごとの骨密度測定。
- 骨形成促進:活性型ビタミンD、ビタミンK2、PTH
- 骨吸収抑制:カルシトニン、ビスホスホネート、エストロゲン、イプリフラボン、デノスマブ
- 閉経後早期の骨吸収亢進にはSERM。
- 長期骨吸収亢進⇒ビスホスホネート
- 骨形成低下、低回転型⇒テリパラチド2年間 けれど高価。
大腿骨予防にはビスホスホネートを最低2年継続
薬剤
- アルファカルシドール:肝臓での活性化まで完了
- カルシトリオール:肝臓での活性化、腎による代謝まで完了(ロカルトロール)=強力な作用なため、量は半分でよい
骨代謝マーカー
- 早朝空腹時
- NTX,CTX食事の影響あり
- BAP,P1NP,TRACP-5bは食事の影響なし
- 日内変動あり
- CKDでは尿中マーカー偽高値
- 形成マーカー:BAP、OC、P1NP
- 吸収マーカー:NTX、CTX、DPD、TRACP-5b
- 骨マトリックス関連マーカー ucOC(骨質評価、VitK製剤の判定)
VitD、カルシトニン、Ca⇒骨代謝評価できない
PTH⇒P1NP、BAP ⇒1か月後から形成マーカー↑3ヶ月後から吸収マーカー↑
ビスホスホネート、エストロゲン⇒NTX,CTX,DPD,TRACP-5b
ビスホスホネート、SERM⇒治療3か月以内に骨吸収マーカー↓以降に形成マーカー↓
ステロイド
骨形成抑制、低回転型。肋骨・椎骨など海綿骨骨折↑
65歳以上+ステロイドで骨粗鬆治療薬
既存骨折+PSL7.5mg/日以上で 3か月以上で⇒アレンドロン酸、リセドロン酸、テリパラチド
骨軟化症・くる病
VitD作用不全、P↓による骨の石灰化障害⇔骨粗鬆症
Ca↓P↓ALP↑
小児
- XLH Xlinked hypophosphatemic rickets XR PHEXgene 後縦靭帯骨化症 FGF23↑
- McCune-Albright syn. FGF23↑
- ビタミンD低下 FGF23→
成人
- 腫瘍性骨軟化症 TIO:tumor induced hypophosphatemic osteomalacia
- FGF23産生腫瘍 良性 四肢頭頚部に多い。診断はMRI、サンプリング
- FGF23>30, 25(OH)D<20(<15)
- 腎近位尿細管障害によるP↓:Fanconi syn. ブドウ糖、アミノ酸、尿酸、HCO3-も再吸収されない。遺伝性、薬剤性、重金属
- 薬剤性:透析によるアルミニウム蓄積、エチドロン酸、フェニトイン、リファンピシンなどがビタミンDを分解する
- ビタミンD欠乏=菜食主義 FGF23→
治療はビタミンD, リン投与
FGF23
Pの排泄↑ビタミンD活性↓=骨折促進factor@骨芽細胞
P↑するとFGF↑、1,25(OH)2DもFGF↑
- 近位尿細管でのNaPi2a/NaPi2c(Na依存性リン共輸送体)によるリン再吸収↓
- 25(OH)D-1αOHase↓25(OH)D-24OHase↑=1,25(OH)2D↓
- 腸管でのNaPi2bによるリン吸収↓
ビタミンD欠乏性くる病
症状
内反脚(O)、外反脚(X)、跛行、彎曲、頭蓋癆、大泉門開離、肋骨念珠、横隔膜付着部肋骨陥凹、関節腫脹、病的骨折、成長障害、不完全骨折・仮骨=looser’s zone
検査・所見
Xp骨幹端杯状陥凹、骨端線拡大、不整、毛羽立ち
骨シンチ:肋軟骨への取り込み↑類骨↑
25(OH)D↓P↓Ca↓ALP↑iPTH↑
ビタミンD欠乏リスク
完全母乳栄養、母親のVitD欠乏、菜食主義、慢性下痢、日光暴露不足、早産児、胆汁うっ滞性疾患
ビタミンD抵抗性くる病
Ca↓P↓ALP↑PTH↑
- Type1: 腎臓の25(OH)D1α CYP27B1 不活性型変異 25(OH)D↑1,25(OH)2D↓
- Type2: ビタミンD rec gene 不活性化変異 25(OH)D↑1,25(OH)2D↑
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