糖尿病専門医試験~血糖調節~

勉強
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こんにちは。Emi(@Emi07033909)です。

糖尿病専門医試験対策に糖尿病専門医ガイドブックから、重要事項や、過去に出題された内容をまとめてみました。

参考文献は糖尿病専門医研修ガイドブック第8版からです。

間違いなどあるかもしれません。参照は自己責任でお願いいたします!

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食後

食後すぐ:グリコーゲン→ブドウ糖

門脈インスリン↑肝ブドウ糖放出↓取り込み↑末梢血糖↑筋肉・脂肪取り込み↑

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絶食時

糖新生

  1. インスリン↓TG合成↓分解↑筋蛋白異化↑(合成抑制分解促進)
  2. NA→cAMP↑脂肪分解↑⇒FFA@筋肉、肝臓→さらに続くと、FFAとケトン体@肝臓ミトコンドリア(アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸・・・BBB通過=脳エネルギーとして)を利用

グルココルチコイド↓=グルカゴン・カテコラミン作用↓

肝臓:乳酸→ブドウ糖 Cori回路

筋からのアミノ酸=アラニン→肝臓、グルタミン→消化管代謝でアラニンor腎臓。

脂肪酸酸化→アセチルCoA→アセト酢酸orβヒドロキシ酪酸orオキザロ酢酸→TCA回路

T2DM夜間の基礎インスリン↓=糖新生↑蛋白分解脂肪分解↑ブドウ糖放出率↑+組織でのブドウ糖利用率低下

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膵発生

膵臓:前腸内胚葉由来。背側/腹側膵芽(PDX-1/MODY4)、PTF1αで膵細胞に分化。Ngn3/NeuroD1(MODY6)で内分泌細胞

β細胞 シグナル伝達

Glu→GLUT2→ATP↑→Katpchannel(SUR1(ABCC)+Kir6.2(KCNJ11) octomer)close(SUR1/Kir6.2-Epac2⇒Rap1⇒Ca↑)→膜脱分極→VDCCopen Ca↑⇒Ins分泌:惹起経路

GLP-1→Gs cAMP↑Ca↑⇒Ins分泌:増幅経路 T2DMでは増幅経路の反応が低下している。

正常者では膵β細胞量はBMIと相関。ただ、IFG,DMでは減少していく。

インスリン抵抗性

・脂肪毒性(脂肪酸、TG↑で膵β細胞↓インスリン作用が抑制):PKC、JNKはIRSのセリン/スレオニン残基をリン酸化する。

・アディポネクチン↓

・脂肪細胞レプチン:視床下部で食欲抑制・脂肪酸酸化、エネルギー消費↑⇒肥満ではレプチン作用が低下、閉経でも低下

マクロファージM1炎症促進、M2炎症抑制。通常M2>M1、肥満ではM1>M2 TNFα、IL-6、MCP1

・CRP/炎症性サイトカイン

・小胞体ストレス↑

血糖毒性

ヘキソサミン回路(fructose→glucosamine→O-GlucNac⇒TGFβ↑)蛋白糖化(セリン/スレオニン残基に結合)インスリンシグナルを抑制。ポリオール経路(ブドウ糖aldose reductase(NADPH→NADP)→sorbitol-SDH(NAD→NADH)→fructose sorbitol↑=細胞内浸透圧↑フルクトース=AGE↑NADH/NAD↑=細胞内偽虚血pseudohypoxia,DAG/PKC↑。⇒神経障害+終末糖化産物AGErec↑PTP1B↑ 

膵β抗酸化酵素少ないため、酸化ストレスでβ細胞減少、インスリン↓=糖毒性

筋肉

・遅筋>速筋:糖取り込み能力↑、ミトコンドリア↑ 遅いⅠ型線維と,収縮速度が速く 収縮力の強いⅡ型線維(さらに,有酸素的解糖能が高いⅡA型線維と低いⅡB型線維)Ⅰ型線維とⅡA型線維で はミトコンドリア↑積極的に糖や脂質の 代謝が行われ,持久的な運動でも疲労しにくい.一方, ⅡB型線維ではミトコンドリア↓細胞質での無酸素的な解糖が中心で,瞬発的な収縮 T2DMではIIB増加。有酸素運動を継続的に行うことにより,Ⅰ型やⅡA型線維の割合が増加

糖新生

基質(乳酸、ピルビン酸、グリセロール)

オキサロ酢酸

PEPCK(インスリン抵抗性で↑インスリン↓

ホスホエノールピルビン酸

↓↑

フルクトース1,6-2リン酸

↓FBPase1(cAMPでアロステリックな活性制御←メトホルミンが抑制)

フルクトース1リン酸

↓↑

グルコース6リン酸

G6Pase(インスリン抵抗性で↑インスリン↓)

グルコース

グリコーゲン分解

グリコーゲンホスホリラーゼ cAMP dependent PKで活性化。インスリン→Akt→PDE3→cAMP↓→グリコーゲンホスホリラーゼを脱リン酸化するprotein phosphatase1↑=グリコーゲン分解抑制

インスリン作用

インスリン→PI3K→mTORC1→SREBP-1c(脂肪合成)

インスリン抵抗性↑=SREBP↑

門脈周囲;糖新生、小葉中心;脂肪合成

骨格筋;インスリン→小胞体からGLUT4細胞表面に

運動でもGLUT4↑→AMPK↑(運動でATP消費AMP↑するため)

さらに筋収縮時のCa↑でCaカルモジュリン依存性キナーゼキナーゼ:CaMKK↑=糖取り込み↑

骨格筋に取り込まれたグルコースはグリコーゲンとして蓄積されるが、G6Paseがないため、グルコースに分解できず、他臓器に供給されることなく、骨格筋自体のエネルギーとして消費される。

インスリン→アミノ酸細胞内↑→mTORC1→→蛋白合成

脂肪細胞GLUT4→流れは骨格筋と同じ→中性脂肪合成

脂肪分解はβアドレナリン刺激により↑cAMPK→ホルモン感受性リパーゼ↑

インスリン→PDE3↑cAMP↓=脂肪分解抑制

アディポネクチン

インスリン感受性増強 by AdipoRec1(骨格筋・肝臓→AMPK↑⇒肝糖新生抑制、脂肪酸合成抑制)AdipoRec2(肝臓→PPARα⇒脂肪酸酸化促進)

褐色細胞

胎児期からの古典的+寒冷刺激により白色脂肪の中に誘導されるベージュ細胞がある。

どちらも多房性でミトコンドリア豊富。UCP1⇒熱産生↑

視床下部

弓状核:摂食抑制POMC 亢進NPY/AgRPニューロン

レプチン→(JAK2,STAT3, PI3K)→POMC↑(→αMSH↑MC4R=摂食抑制)NPY/AgRP↓(AgRPはMC4R Atg, GABAでPOMC抑制)、レプチン感受性ニューロンから末梢骨格筋脂肪組織で脂肪酸酸化↑、褐色脂肪細胞熱産生↑

視床下部の炎症や小胞体ストレスでレプチン抵抗性↑

インスリン→POMC↑NPY/AgRP↓

血糖維持

短期的

グルカゴンカテコラミン
肝臓・脂肪には作用するが、筋肉には作用しないインスリン分泌↑グルカゴン分泌↑筋肉での蛋白分解↓、グリコーゲン分解↑インスリン分泌α2抑制>β2亢進グルカゴン分泌↑

長期的

成長ホルモングルココルチコイド
肝臓でインスリン作用拮抗、脂肪分解亢進、骨格筋でインスリン作用拮抗、蛋白合成亢進インスリン分泌↑グルカゴン分泌↑インスリン作用拮抗、糖新生亢進、脂肪での糖取り込み抑制、筋肉でインスリン作用拮抗、蛋白分解亢進インスリン分泌↓グルカゴン分泌↑グルカゴン、カテコラミンの作用を増強する

暁現象:GH↑

somogyi効果:低血糖の反動

 

インクレチン

  • GLP-1:小腸下部、大腸L細胞 31アミノ酸 N末端-2がアラニンでDPP-4によって分解 グルカゴン分泌抑制
  • GIP:小腸上部K細胞 42アミノ酸 グルカゴン分泌促進 TG蓄積↑

Rec7回膜貫通、GPCR

DMではGLP-1のインスリン分泌促進は減弱するものの比較的保持されているが、GIPのインスリン分泌促進は著明に低下

GLP-1受容体作動薬の胃運動抑制効果はtachyphylaxyがあり、長時間型で長期的な投与で効果が消失する

膵β細胞障害

膵 β 細胞の機能低下(イン スリン生合成・分泌の低下など)および細胞量の減少

Glu↑⇒グリケーション反応やミトコンドリア電子伝達系↑=ROS↑

β細胞は抗酸化酵素(カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼ)の発現が少なく、酸化ストレス↑=MAPKであるJNK↑=インスリン転写因子PDX1↓MafA↓、インスリン分泌関連因子↓アポトーシス↑

インスリン感受性低下に伴って代償性にインスリン生合成が増大=不良タンパク質の蓄積が タンパク質合成抑制・折りたたみ直し・ 不良タンパク質の分解という一連の仕組み(unfolded protein response,UPR)による処理能力を超えてしまい,小胞体ストレスが生じる=正常なインスリン↓+アポトーシス誘導

酸化ストレスや小胞体ストレスは JNK や NF-κB といった経路を活性化し,膵島へのマクロファージ↑=炎症性サイトカインの IL-1β や TNF-α ↑=アポトーシスを誘導

オートファジー(自食作用:細胞が自己の 構成成分をリソソームへ運搬し能動的に分解する)作用不全by高血糖⇒グルコース応答性インスリン分泌(GSIS)の低下、アポトーシス

インスリン分泌機構の障害(高血糖状態では開口放出に関わる遺伝子発現レベルが低下=インスリン分泌初期相が低下)⇒グルコース応答性インスリン分泌(GSIS)の低下

膵 β 細胞の脱分化・分化転換⇒アポトーシスとは異なる機序として(機能的な)膵 β 細胞量減少

肝臓

肝臓における酸化ストレスはAMPK↓=インスリン抵抗性↑(ぴお、メトはAMPK改善)、ミトコンドリア機能障害からROSの産生や炎症を惹起し,NASH 進展に寄与。小胞体ストレスは新規脂肪合成↑あるいはアポトーシス↑

ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP-1c)や炭水化物応答領域結合タンパク質(ChREBP)↑アセチル CoA カルボキシラーゼ(ACC),脂肪酸シンターゼ(FAS),SCD-1↑=新規脂肪合成↑

肝臓における新規脂肪合成や脂肪組織における脂肪分解によって生じた FFA は,インスリンシグナルを阻害=糖毒性。インスリン抵抗性の増大は脂肪組織の機能低下,FFA の放出、異所性脂肪として蓄積=慢性炎症(炎症性サイトカインは直接肝臓のインスリン抵抗性を増強)の発生母地となり,脂肪毒性としてインスリン抵抗性↑肝臓線維化↑

NASH に対するピオグリタゾンの治療効果は,ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体―γ(PPARγ)を介した脂肪組織のインスリン感受性の改善およびそれによる肝臓への FFA 流入 の減少。+ミトコンドリア機能、小胞体ストレスの改善、慢性炎症シグナル伝達抑制

GLP-1 受容体作動薬であるリラグルチド のNASH への有効性(LEAN 試 験).肝臓および脂肪組織のインスリン抵抗性、AMPK↑、小胞体ストレスの軽減

エンパグリフロジンによる脂肪肝の改善(E-LIFT 試 験),EMPA-REG OUTCOMEでも ALT 優位のトランス アミナーゼ改善

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