こんにちは。Emi(@Emi07033909)です。
内分泌専門医試験対策に内分泌代謝科専門医研修ガイドブックから、重要事項や、過去に出題された内容をまとめてみました。
最新の対策は数年分の学会誌を読んでおきましょう。
参考文献はこちらです。
内分泌専門医に絶対合格したい人はこちらも必須です。
間違いなどあるかもしれません。参照は自己責任でお願いいたします!
ホルモン
キスペプチン
視床下部
KISS1遺伝子=癌転移抑制因子(metastin)→GnRH+。
KISS1ニューロンは血中の性ステロイド濃度情報をGnRHニューロンに伝える。
脂肪組織レプチン↑→KISS1ニューロン+→GnRH+
低栄養状態→レプチン↓→KISS1ニューロン↓→食行動↑代謝↑GnRH↓→体重減少性無月経
GnRH
- GnRH低頻度パルス=FSH↑(>LH)卵胞発育、エストロゲン↑。
- 高頻度パルス=エストロゲン上昇にともなうポジティブフィードバックでLHサージ↑排卵
インヒビン
インヒビン:FSH調節→発育卵胞数調節。卵胞成熟
- インヒビンA=黄体期
- インヒビンB=卵胞期
LH
成熟グラーフ卵胞排卵、黄体化
→卵胞ホルモン(エストロゲン)↑黄体ホルモン(プロゲステロン)↑。卵胞発育補助
エストロゲンは卵胞、黄体どちらからもでる。
プロゲステロンは黄体のみ
LHRH負荷試験
反応↑=高ゴナドトロピン⇔反応↓低ゴナドトロピン
- 視床下部性:低反応だが、上昇はする
- 下垂体性:低反応
- 原発性:高反応
妊娠変化
RAA↑
ACTH↑コルチゾール↑
LH↓FSH↓E2↑
IGF-1↑GH↓
続発性性腺機能低下症
低ゴナドトロピン→下垂体機能LHRH試験、視床下部試験クロミフェン試験
- Kallmann:嗅覚喪失。伴性潜性遺伝(KAL1, PROP, HES DAX)。GnRHニューロンが嗅板から視床下部へ移動しない。 治療 hCG/hMG
- Laurence-Moon 症候群. 90%網膜色素変性(夜盲)、肥満、対麻痺、75%視床下部性性腺機能低下・性器発育不全、80%精神遅滞
- Bardet Biedl症候群.:肥満、網膜色素変性=夜盲、多指症、性腺機能低下(視床下部) 腎障害
- Prader-Willi:15q11-13視床下部性性腺機能低下。アーモンド眼、低身長、発育不全、肥満、筋緊張↓、精神遅滞 hypotonia, hypogonadism, hypomentia, obesity=HHHO 治療)クロミフェン
- 神経性食思不振症
- 下垂体機能低下症=先天:中隔ー視神経形成異常。Dandy-Walker奇形。後天:癌、血管障害、サルコイドーシス、Langerhans細胞組織球増加症、脳炎、髄膜炎、外傷
- Frohlich症候群:頭蓋咽頭腫や炎症、外傷による肥満と性器発育不全 後天性視床下部・下垂体性性腺機能低下
- 思春期遅発:低身長。視床下部性性腺機能低下。成長ホルモン分泌不全。甲状腺機能低下
- GPR45mutation:idiopathic hypogonadotropic hypogonadism。外因性のゴナドトロピン、GnRHに反応する。GPR45は思春期出現の調節因子
- LH単独欠損。male.FSH→。下垂体性性腺機能低下。精巣発育は正常だが、LHを欠くためLeydig細胞の萎縮とテストステロンの欠乏。骨端が閉鎖しない=類臣官体形
原発性性腺機能低下症
高ゴナドトロピン→hCG試験
- Turner
- 1/2000, 45,XO 20%索状卵巣。翼状頸、外反肘、リンパ浮腫、中手骨短縮、盾状胸、手足背浮腫、小顎、大動脈縮窄、2尖弁、馬蹄腎、中耳炎/難聴、知能正常、25%DM、HTN、骨粗鬆症、20-30%橋本病。Tx)HT<-1.5SD=GH補充 0.35ng/kg/w(GH分泌不全にかかわらず。投与前の負荷試験は不要)エストロゲン補充、Kaufmann療法。20%月経自然発来
- Klinefelter
- 一番多い。1/1000。47,XXY(46XY/47XXYモザイク)。精細管異形成。外性器normal but small firm testis. hCG試験+. 男性不妊の10-20%. 85%女性化乳房. 甲状腺機能異常(TgAb+)、10%糖尿病。アンドロゲン↓=骨端線閉鎖遅延=身長↑、知能↓ Tx)テストステロン注射(禁前立腺癌、睡眠時無呼吸、赤血球増多症。経口薬は肝障害)原発性のためhCG+rFSHはダメ
- 停留精巣、無精巣、Leydig細胞無形性、Noonan症候群(RAS/MAPK異常 顔貌異常、停留精巣、先天性心疾患、心筋症、低身長、胸郭異常、知能↓)、筋強直性ジストロフィ
- ムンプス、Tb、PCOS、Cushing、Addison、PRL↑、甲状腺
鑑別試験
hCG試験:LH作用、Leydig細胞+テストステロン↑
クロミフェン試験:抗エストロゲン。視床下部へのフィードバックを遮断、FSH/LH測定
PCOS
LH中等度過剰分泌、卵巣の自律的アンドロゲン産生
非肥満型PCOS 70%, 肥満型PCOS30%
80-90%第1度無月経=プロゲステロン負荷だけで消退出血
・PCOSは家族集積性。男性化+肥満はアジア系で少ない、男性化は2%。FSH抑制=正常な卵胞発育抑制=アロマターゼによるエストロゲン変換がうまくいかず、前駆物質のアンドロゲン↑
・抗Muller管ホルモン(AMH)卵巣の顆粒膜細胞から分泌。↑(nor<35pmol/l)
・インスリン抵抗性は欧米と大差ない。
・PCOSでは長期無排卵からエストロゲン↑=子宮内膜癌↑
診断
- 月経異常(無月経、稀初月経、無排卵)
- PCOの確認(2-9mm 10個)
- LH↑(月経時以外で、LH≧7mU/ml, LH>FSH,肥満例BMI≧25ではLH>FSHのみでも可)FSH→テストステロン↑アンドロステンジオン↑
エストロンE1 PCOSの40%で↑ E1/E2↑はPCOSの100%でみられる
・LHRH試験:PCOS=LH過剰反応かつFSH正常反応
・DHEA-S PCOS10%で↑(副腎でのACTH反応↑17OHase↑=卵巣のみならず副腎由来のアンドロゲン↑)
治療
5-7%減量で排卵率と妊娠率の改善あり。メトホルミンやピオグリタゾン。高アンドロゲンに対してはスピロノラクトンや5αリダクターゼ(フィナステリド)。
挙児希望の場合
- クロミフェン療法(副腎皮質ホルモン、ドパミン作動薬を併用することも)視床下部に作用して卵胞発育促進、排卵誘発。第1度無月経PCOSに適応。50%の排卵率と10-20%の妊娠率が得られる。
- hMG(LH/FSH, rFSH)-hCG療法 hMGは卵巣に直接作用して排卵を起こす。
- ovarian hyperstimulation syndrome OHSSに注意:卵巣腫大、血管透過性亢進、腹水貯留。リスクは若年<35y, やせ型、PCOS、E2↑↑、発育卵胞数が多い、高用量のゴナドトロピン製剤使用
- 腹腔鏡下卵巣多孔術、生殖補助技術 assisted reproductive technology
挙児希望なし
第2度無月経には定期的に消退出血を起こさせるKaufmann療法(エストロゲン、プロゲステロン),第1度無月経にはアンドロゲン作用の少ないゲスターゲン製剤単独=ホルムストルム療法、低用量ピル
ゲスターゲン試験
PCOSで無月経症例が対象
- プロゲステロン負荷だけで消退出血=第1度無月経
- プロゲステロンおよびエストロゲン負荷で消退出血=第2度無月経⇒卵巣性orPCOSorPRL↑
- プロゲステロンおよびエストロゲン負荷で消退出血なし=子宮性無月経
LOH症候群
.freeテストステロン<8.5, Total テストステロン<350
(血中freeテストステロンは2%ほど。テストステロン+Alb結合68%, SHB-globulin結合30%)
原因:精巣機能異常、Kleinefelter syn, tobacco, 間脳・下垂体・精巣応答障害
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