こんにちは。Emi(@Emi07033909)です。
糖尿病専門医試験対策に糖尿病専門医ガイドブックから、重要事項や、過去に出題された内容をまとめてみました。
参考文献は糖尿病専門医研修ガイドブック第8版からです。
間違いなどあるかもしれません。参照は自己責任でお願いいたします!
糖
Glu90mg/dl=5mmol/l
採血スピッツ;解糖系阻止=NaF,クエン酸 採血後10%/hで糖低下
SMBG:ヨウ素で偽高値
Hct<30%でGlu↓、>60%で↑
血糖値動脈血>毛細血管>静脈
測定法
- ヘキソキナーゼ法:Glu+ATP→HK→G6P+ADP→G6PDH,NADP+→6ホスホグルコン酸+NADPHの吸光度を測定
- GOD法:Glu酸化グルコン酸+H2O2を電極または比色で測定。注:溶存酸素↑で偽低値、低酸素血症で偽高値
- GDH法:Glu+FeCN-→GDH→グルコン酸+2e-起電力測定。注:マルトースガラクトース、デキストリン含有透析液、PAMで偽高値
測定精度
point of care testing機器(精度<±10%)≠SMBG(<75mg/dlで±15mg/dl, >75mg/dlでは>95%が<±20%)
保険
1986年保険収載SMBG
2020 年 4 月「間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」 1,250 点
or これまで通り「C150 6 血糖自己測定 月 120 回以上」1,490 点
CGM
CGM1999年(日本2009年)
retrospective=ipro,freestyleリブレpro:患者自身がデータをみれないため客観的な評価の時に使用。
2017年intermittently scanned CGM(センサーにかざした時のみ、データが取り込まれる)
freestyleリブレ(MARD(平均絶対的相対的差異) 11.4 % )
1分毎に測定し、15分毎にグルコース値を記録。血糖値の変化に対する間質液グルコース値の生理的なタイムラグは約5〜10分間
2018年real time CGM medtronicガーディアンコネクト、テルモDexcomG4
normal CGM glu 100±15
リブレの使用中,SMBG による確認必要な状況
- 低血糖または低血糖の可能性を確認するとき
- 自覚症状とセンサーグルコース値が合わないとき
- 血糖値が急激に(2 mg/dL/分以上)変化している とき
- 透析中の糖尿病患者
- 高血糖に対する補正インスリンの投与量を計算する とき
- 妊娠中の糖尿病患者
- 新しいセンサーの使用開始直後
Sensor augmented pump
インスリンポンプ+real time CGM= Sensor augmented pump
⇒重症低血糖を回避しながら血糖管理も改善。
CSII>MDI HbA1c改善。
インスリン
イムノアッセイ RIA(1959年Berson/Yalow)→ELISA
- RIA:特異的に反応する抗体とラジオアイソトープで標識した物質に非標識の物質を入れて競合的結合を起こす。抗体結合型標識インスリン%から標準非標識インスリンの濃度を求める。
- ELISA:抗インスリン抗体を用いるけど最終的には酵素の発色反応と検量線を比較して測定値を求める。
インスリン抗体がある場合はPEG法で抗体と結合したインスリンを沈殿させてから測定すれば抗体と結合していない遊離インスリンを測定できる
IRI↑
- インスリン抗体+→注射歴あり/なし=インスリン自己免疫症候群
- HLADRB1*04:06,被疑薬チアマゾール、チオプロニン、グルタチオンαリポ酸など。多くは高親和性、低結合能で血糖の不安定さは来さないが、低親和性・高結合能の抗体が出現すると早朝の低血糖と日中の高血糖を引き起こす。
- インスリン抗体-→インスリン抵抗性(ITT)→抵抗性あり:レセプター解析=インスリン受容体異常症、抵抗性なし:CPR/IRI=プロインスリン血症or異常インスリン血症(CPR/IRI<1 normal>5)
インスリン分泌検査
OGTT、ivGTT、GTT、アルギニン負荷(インスリン、グルカゴン、成長ホルモンチェック)
⇔分泌抑制検査:絶食試験
経静脈ブドウ糖負荷試験;IRIpeak<5min。acute insulin response.Kg値=1分間あたりの血糖低下率
- インスリン負荷試験ITT 血糖低下率を求め、インスリン感受性の指標
- SSPG法;ソマトスタチンにより内因性のインスリングルカゴン分泌を抑制しながら、ブドウ糖とインスリンを同時に投与し、血糖値とインスリン感受性をチェックする
- グルコースクランプ;インスリン感受性の想定。高インスリン正常血糖クランプ=インスリンを一定速度で静注+血糖値を保つブドウ糖注入速度Glucose infusion rateを測定する。骨格筋へのブドウ糖取り込みの指標。
- ミニマルモデル:ソマトスタチン投与でインスリン分泌を抑制しても経時的に血糖値が低下する=glucose effectiveness=SGとよばれ、これを算出する。DMでは急性分泌反応AIRや感受性SIとの積Disposition indexが低下する。
インスリン分泌
- インスリン分泌↑
- ブドウ糖、マンノース、アルギニン、リジン、グルカゴン、GLP-1、GIP、セクレチン、迷走神経、β刺激薬、αブロッカー、cAMP、テオフィリン、SU、Ca、K
- インスリン分泌↓
- マンノヘプツロース、2deoxyglucose、グルコサミン、カテコラミン、α刺激薬、ジアゾキシド、セロトニン、ソマトスタチン、ガラニン
CPR
Connecting peptide immunoreactivity 31アミノ酸
尿CPRは純粋にcpeptide.血CPR/尿CPR↑=異常プロインスリン、インスリン抗体など
IRIとCPR
- IRI↑CPR↑:インスリン抵抗性、インスリノーマ、プロインスリン血症、インスリン抗体
- IRI↑CPR→:異常インスリン、肝障害
- IRI↑CPR↓:インスリン注射による低血糖
- IRI→CPR↑:腎不全
- IRI↓CPR↓:インスリン分泌不全、副腎不全、飢餓
インスリン代謝
プレプロインスリン→N端24アミノ酸 off→プロインスリン粗面小胞体S-S結合、2量体に→Zn+His 6量体に→調節性経路で分泌顆粒or構成性経路でインタクトプロインスリンとして分泌。IRIの10%がプロインスリン。インスリン受容体に結合するが作用はインスリンの10%程度。プロインスリン⇒PC1/3(arg31/arg32),2(Lys64/arg65)⇒Ins+CPR prohormone convertase
プロインスリン/インスリン比は耐糖能の悪化に伴い上昇。比率上昇はプロインスリン変換障害、インスリンの代謝↑
プロインスリン↑はT2DM、IGT、肥満obese,insulinoma,familial hyperproinsulin, hyperthyroid、腎不全、肝硬変、膵切除、加齢PC1/3 mutation
インスリン遺伝子点突然変異→生物活性の低いインスリンが蓄積=高インスリン血症、耐糖能障害。外来性には正常に反応
グルカゴン
29アミノ酸
中枢作用食欲抑制、腸管運動抑制、インスリン増加、アミノ酸代謝,脂肪分解。
分泌
分泌↑:アミノ酸、アドレナリン、ピルビン酸、GIP、肝硬変・腎不全
分泌↓:脂肪酸、GABA, GLP-1、ソマトスタチン 、インスリン、DPP-4阻害薬
ビグアナイ ド薬は肝臓におけるグルカゴン作用を抑制
グルカゴン代謝
αcell プレプログルカゴン→PC2→グルカゴン、GRPP,MPGF(GLP-1/2)
L細胞 →PC1/3→グリセンチン(グルカゴン/GRPP)、GLP-1、GLP-2
HbA1c
N端Val 非酵素的糖化(アミノ基とグルコースのアルデヒド基が反応してシフ塩基を可逆的に形成、そこから不可逆的にアマドリ転移反応)
HPLC法:糖化したHbの陽性荷電が減少する性質を利用(A1cは一分画。)=陽イオン交換樹脂
⇒ラテックス凝集免疫比濁法:抗原抗体法。その他酵素法による測定などがある。
HbA1cの変化
HbA1c↑:急速に改善したDM、鉄欠乏状態
HbA1c↓:急激に発症・増悪したDM、鉄欠乏回復期、溶血、失血、輸血後、EPO腎性貧血、肝硬変、透析
どちらもありえる:異常ヘモグロビン症
グリコアルブミン
albリジンのアミノ基が糖化。アルブミン半減期17d⇔Hb T=30d
食後の高血糖をより反映 normal 12.3~16.9%. HbA1c=GA/4+2.2
グリコアルブミンの変化
GA↑甲状腺機能低下症、肝硬変、低栄養
GA↓甲状腺機能亢進症、ネフローゼ、腹水、乳幼児、ステロイド、肥満
1,5-アンヒドログルシトール
グルコース1-OHが還元。食事前後での血中濃度変化を認めない。
尿細管1,5AG/フルクトース/マンノースSGLT4により再吸収。グルコースの競合阻害を受けるため、尿中Glu↑=尿中1,5AG↑=血中低下。⇒高血糖状態の把握。
尿糖陰性(Glu<180)では1,5AG+0.3mcg/ml/d
nor>14mcg/ml DM>10で良好
AGの変化
AG↑人参養栄湯、加味帰脾湯
AG↓アカルボース、SGLT2阻害薬、腎性糖尿病、慢性腎不全、妊娠、経口摂取不良、肝硬変
腎機能
CCr=UCrmg/dl*Urine ml/d/Scrmg/dl*1440min/d→GFRml/min=0.715*Ccrml/min
norCysC<0.9mg/l 筋肉に左右されないため、年齢、性別の影響を受けにくい
CysC↑:妊娠、HIV、甲状腺機能異常、腎移植レシピエント ↓ステロイド、シクロスポリン、甲状腺機能低下症
長期臥床eGFRCr>eGFRcysc (Cr低下するため)
シスタチンC
シスタチンCは、糸球体で濾過され近位尿細管でほとんどが再吸収=糸球体の濾過機能が低下する とシスタチンCの血中濃度は上昇。血清シスタチンC値の上昇は血清クレアチニ ン値よりGFRの低下をより早期に反映
イヌリン
イヌリンは生体内で代謝されず、タンパクと結合せず、糸球体で100%ろ過され、尿細管で全く再吸収も分泌もされない=イヌリンクリアランス=GFR
クレアチニンも生体内で代謝されず、タンパクと結合せず、糸球体で100%ろ過され、尿細管での再吸収はされないが、尿細管でわずかに分泌=イヌリンクリアランスより20-30%高くなる
リポタンパク分画
脂質成分が多いほど浮上:CM→VLDL→HDL超遠心法
電気泳動
- アガロースゲル電気泳動(電荷と粒子サイズ):陽極αリポ(HDL)→preβ(VLDL)→broadβ(IDL)→β(LDL、sdLDL, Lp(a):LDLapoB100にapoa結合)→CM
- ポリアクリルアミドゲル電気泳動(粒子サイズ。アガロースより明確に分離できる。LDLの移動度relative migrationからサイズを推定できる)
Ⅲ型で増えるIDLはアガロースではVLDLとLDLの間にbroadband、ポリアクリルアミドではmidbandを形成する。
Lp(a):プラスミノゲンの線溶活性を競合的に阻害するため、Lp(a)↑=冠動脈疾患
脂質代謝
小腸上皮コレステロールトランスポーターNiemann-PickC1Like1を介して吸収。
FFA+MAG→TG+apoB48→CM→リンパ管、胸管→静脈→血管内皮細胞のLPLにより加水分解、組織にFFA供給。→TG失いCMレムナントに→肝臓でLDL受容体、LRP1,HSPGにより取り込まれる。取り込まれたChoは再度TGとなり+apoB100とともにVLDLとして肝臓から分泌される。→IDL→肝性リパーゼによりLDLになり組織にコレステロールを供給。HDLは末梢組織からコレステロールを引き抜いたり、CETPを介しVLDL,LDLにchoを供給、TGを受け取る。
PCSK9機能亢進変異=LDL受容体分解↑=Cho↑↑
自己抗体
抗GAD抗体
1982年baekkeskov 1990年stiff-person syn.IDDMで抗GAD抗体(64kDa) 、ICA陽性
Glu酸→GABAを合成する酵素。神経終末、甲状腺、副腎皮質、胃壁、精巣、卵管に存在
抗IA-2抗体
IA-2抗体 1994年Rabin/Lan インスリン分泌顆粒に存在。protein tyrosine phosphatase類似蛋白
抗インスリン自己抗体 IAA
1963年pav 1970年平田インスリン自己免疫症候群 1983年PalmerT1DMにinsulinIgG+。抗体価は発症年齢と逆相関。小児ではIAAが一番早くでてくる。
ZnT8抗体
2007年Hutton 6回膜貫通。インスリン分泌顆粒に存在、亜鉛輸送に携わる。Arg→Trp
抗膵島細胞抗体 ICA
1974年Bottazzo 膵切片免疫蛍光抗体法
ケトン体
アセト酢酸、3ヒドロキシ酪酸、アセトン
尿ケトンはニトロプルシド法AcAc検出 偽陽性:PSP,エパルレスタット,セフェム系,SH
尿検査
血糖160-180mg/dlで尿糖1+=100mg/dl
尿蛋白1+=30mg/dl, 2+=100mg/dl
β2microglobulin↑=尿細管障害。血中増加したら尿中も増加するため要注意。
NAG近位尿細管障害で↑(薬剤性疑うとき)
L-FABP 近位尿細管に存在。尿細管間質障害で尿中↑腎症の進展マーカー、心血管予測因子
IV型コラーゲン メサンギウム領域障害で尿中↑DMN早期。腎肥大+尿中IV型コラーゲン>7-8mcg/gCr
尿中Tf; 基底膜陰性荷電の低下、糸球体内圧の上昇、尿細管の再吸収阻害と関連し尿中Tf↑
円柱
- 赤血球円柱:糸球体病変
- 白血球円柱:糸球体尿細管炎症、感染症
- 顆粒円柱:慢性腎炎、ネフローゼ症候群
- 脂肪円柱:ネフローゼ症候群
ABI
ABI <0.9 sensitivity95% specificity100% 0.91-0.99=運動負荷で判定
nor 1-1.4. >1.4高度石灰化の可能性
PAD+=ASCVD50%併存
PWV
cf(carotid femoral)PWV>10,baPWV(brachial-ankle)>18,CAVI9.0が予後不良因子
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