こんにちは。Emi(@Emi07033909)です。
糖尿病専門医試験対策に糖尿病専門医ガイドブックから、重要事項や、過去に出題された内容をまとめてみました。
参考文献は糖尿病専門医研修ガイドブック第8版からです。
間違いなどあるかもしれません。参照は自己責任でお願いいたします!
診断
- FPG≧126
- ogtt120≧200, 随時≧200
- HbA1c≧6.5
- 血糖高い+糖尿病症状or網膜症
FPGは10時間絶食で
血糖 100-109は正常高値、110-125境界型
ogtt正常 FPG<110かつ120分<140
- IFG:DM発症リスク
- IGT:DM発症リスク+心血管リスク↑(血管内皮酸化ストレス↑内皮依存性血管弛緩反応↓TG↑HDL↓=酸化ストレス↑NO↓平滑筋細胞↑凝固↑粥腫↑)
HbA1c6.0%=FPG110ぐらい ⇒HbA1c6-6.4でOGTTを
HbA1c5.6%=FPG100ぐらい
指標
- HOMA-R=PG*IRI/405
- 正常<1.6, >2.5=インスリン抵抗性
- HOMA-β=360*IRI/(PG-63)
- 欧米>80%
- 日本40-60%
- 30%でインスリン分泌低下
- insulinogenic index=ΔIRI/ΔPG
- <0.4 (nor 1-3)
- FIRI 5-15
- >15 インスリン抵抗性
- CPI(CPR/PG*100)>1.8インスリン不要
- グルカゴン負荷試験 正常Δ4.0
- 正常CPR0分1-3.5 →CPR6分 3-5
- 尿cpr 40-100
自己免疫性
陽性率 抗GAD 71%, IA-2 62%, IAA 48% ⇒3つどれか89%,
+ZN8T⇒98%
疾患感受性遺伝子:HLA, Ins gene, CTLA4, PTPN22、classII DR4,DR9, DRB10405DQB10401,DRB10901DQB10303
⇔疾患抵抗性DR2
ウイルス性
急性発症の20% 劇症で70%でウイルスが寄与している可能性
- coxsackie
- HAV
- mumps
- rubella
- rota
- CMV
- VZV
- EBV
- HHV6
遺伝子
- 膵β細胞機能にかかわる遺伝子
- インスリン作用の伝達機構にかかわる遺伝子
新生児糖尿病
生後 6 か月未満に発症する糖尿病
- transient neonatal diabetes:新生児~18mまでに軽快するimprinting
- permanent neonatal diabetes:永久
- Kir6.2, SUR gene mutation→SUで治療,
- Ins gene mutation→ERストレスでβ細胞apoptosis,
- 新生児糖尿病にてんかん発達遅滞などの神経症状を合併する(DEND 症候群,developmental delay, epilepsy,neonatal diabetes)
Wolfram症候群
常染色体潜性遺伝
視神経萎縮、尿崩症、感音性難聴。けいれん、うつ。
WFS1異常=小胞体ストレス↑インスリン↓
筋強直性ジストロフィー
インスリン抵抗性↑(受容体異常)
werner症候群
常染色体潜性遺伝。日本人に多い。
難治性皮膚潰瘍に伴う下肢切断や悪性腫瘍、高インスリン性糖尿病⇒アクトスが有効
MODY
- MODY1:HNF4α。肝障害なく、膵β細胞発生異常(巨大児と新生児期の高インスリン性低血糖, SU効く)
- MODY2:GK。インスリン分泌障害及び肝糖代謝障害,出生後早期から耐糖能異常,薬物療法不要,合併症少ない。
- MODY3:HNF1α。(日本で一番多い尿糖排泄閾値低下SGLT2↑=尿糖↑SUが効く);肝障害なく、膵β細胞発生異常
- MODY4:PDX1
- MODY6:NEUROD1
インスリン受容体
インスリン受容体:α2β2 S-S結合 α=細胞外、β=細胞内、チロシンキナーゼ活性
⇒IRS1/2チロシン残基リン酸化(セリン/スレオニン残基リン酸化はIRS抑制=インスリン抵抗性)、PI3K/Akt(セリン/スレオニンキナーゼ)⇒TSC,mTORC1:蛋白・脂質合成、FoxO1:糖新生抑制、GSK-3β:グリコーゲン合成
⇔PTP1B Ins rec/IRSを脱リン酸化するフォスファターゼ、PTENはPI3Kを脱リン酸化
- 重症:Donohue症候群、妖精用顔貌(眼間開離、鞍鼻、外耳低位)→その次Rabson-Mendenhall 症候群インスリン抵抗性↑↑黒色表皮腫、多毛、発育不良、皮下脂肪萎縮、爪歯形成不全、松果体過形成
- インスリン受容体異常症A型:抗体(-)。黒色表皮腫、多毛、PCO、インスリン抵抗性、インスリン↑⇔異常インスリン血症との違いはインスリンに対する血糖の反応がいい。
- インスリン受容体異常症B型は:Ab(+)=抗インスリン受容体抗体によって機能が障害。女性、黒色表皮腫、多毛、月経不順、ピロリ感染、赤沈↑γグロブリン↑皮膚異常、Raynaud現象、SLE ,Sclerosis,Sjogren。治療:自然軽快することもあるが、PSL、免疫抑制薬やIGF-1が使用される。脂肪萎縮性糖尿病の違いは脂肪萎縮があるかないか。
ミトコンドリア糖尿病
mtDNA A3243G
90%感音性難聴、低身長、やせ、若年発症、乳酸/ピルビン酸↑、インスリン分泌↓心筋症/伝導障害、脳症・神経障害↑stroke/痙攣
劇症発症型1型糖尿病
- PG>288
- HbA1c<8.7
- UCPR<10
- CPR0分<0.3,CPR6/120分<0.5
性差、季節性なし
2型糖尿病
成人早期の肥満がT2DMと関連
肥満⇒インスリン抵抗性物質↑アディポネクチン↓=インスリン感受性物質↓
発症抑制効果があるもの
食事では一価不飽和脂肪酸オリーブ、n-6多価リノール酸、n-3系DHAEPA、植物性蛋白、食物繊維、Mg/ポリフェノール、緑茶。
有酸素運動、レジスタンス運動
発症リスク上昇はアルコールはやせではDM発症↑夜勤やうつ、睡眠不足、たばこも上昇する
膵疾患による糖尿病
40%慢性膵炎:アルコール性70% 膵外分泌障害が先。グルカゴン分泌↓=低血糖になりやすく、回復も遅い。FFA動員が少なくケトアシになりにくい。
AIP:60%DM。PSL治療により半数がDMが治癒
ヘモクロマトーシス:α細胞は保たれ、β細胞への選択的鉄沈着
その他の糖尿病
- Cushing 50%DM
- PSL: インスリン抵抗性+糖新生↑骨格筋糖取り込み↓グルカゴン↑
- グルココルチコイドで糖尿病になる頻度は8-18%。多くは2型にステロイドが環境因子として加わって高血糖に。ステロイド糖尿病は外来性のステロイドがなくなれば糖尿病が消失する。 コルチゾールが血糖を上昇させるのは投与から2-3時間後。5-8時間後に血糖値が最高に達する。
- 吸入ステロイドでは糖尿病が悪化することは少ないが、フルチカゾンでは悪化も報告あり。吸入後含嗽5秒行うだけで50%以上除去できる。
- GH↑:GLUT1/4↓=糖利用↓インスリン抵抗性↑、網膜症、心血管合併症
- 褐色細胞腫:カテコラミンによるインスリン分泌障害。α2(抑制)>β2(促進)、グルカゴン↑β2グリコーゲン分解α1糖新生↑
- グルカゴノーマ:体重↓舌炎、壊死性移動性紅斑、貧血
- 原発性アルドステロン症:K↓=インスリン分泌↓
- 甲状腺機能↑:糖新生↑インスリンクリアランス↑糖吸収↑
- ソマトスタチノーマ:ソマトスタチンがインスリン分泌抑制
- 慢性肝炎:糖尿病型21% HCVで多い。HCVコア蛋白がインスリンシグナルを阻害。さらにTNFα,脂肪肝や鉄過剰沈着がインスリン抵抗性を悪化させる。
- 肝硬変:インスリン抵抗性+高インスリン血症 糖尿病型43% (80%は境界型あるいは糖尿病型) 脂肪↑グリコーゲン合成↓=インスリン感受性低下。+膵臓から多量のインスリンが分泌されるが門脈ー体循環シャントの形成もあり肝臓にインスリンが届かない。+肝臓でのインスリンクリアランス↓=高インスリン血症だけど食後高血糖↑ 運動により門脈血流低下するため肝硬変では制限する
- 高濃度インスリンで肝細胞↑=肝癌発生とインスリン治療が相関する可能性があるため、不必要な高インスリン血症は避ける。
irAEs
抗 PD-1 抗体が T 細胞を活性化,膵島抗原特異的 T 細胞により膵β 細胞が破壊.
T1DM発症頻度1%未満。
ケトン↑インスリン分泌徐々に低下。
抗GAD抗体陰性例が多い。
報告による平均155 日,年齢63 歳,血糖値 617 mg/dL, HbA1c8.1 %,消化器症状,感冒様症状,意識障害,85.0 %でケトーシス,38.9 %で糖尿病性ケトアシドーシス,50.0 %が劇症 1 型糖尿病,50.0 %が急性発症 1 型糖尿病
薬剤について
mTOR阻害薬:インスリン受容体からのシグナル伝達阻害
オランザピン、クエチアピン、クロザピン,リトドリンはDM禁忌。
リスペリドン、アリピプラゾールも慎重投与。セロトニンやヒスタミン受容体遮断による食欲↑
ペンタミジン:膵β細胞破壊→低血糖からのインスリン治療
エプレレノン:Alb尿のあるDM禁
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