内分泌代謝科専門医試験~視床下部・下垂体③~

勉強
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こんにちは。Emi(@Emi07033909)です。

内分泌専門医試験対策に内分泌代謝科専門医研修ガイドブックから、重要事項や、過去に出題された内容をまとめてみました。

最新の対策は数年分の学会誌を読んでおきましょう。

参考文献はこちらです。

内分泌専門医に絶対合格したい人はこちらも必須です。

間違いなどあるかもしれません。参照は自己責任でお願いいたします!

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ACTH

  • ACTH非依存性(副腎) >50% Cushing症候群
  • ACTH依存性:40% Cushing 病(下垂体性)、4% 異所性ACTH症候群

検査

スクリーニング 0.5mgデキサメタゾンでコルチゾール

深夜コルチゾール>5mcg/dl

  • Cushing 病 ACTH >10pg/ml
  • Cushing症候群 ACTH <10pg/ml

デキサメタゾン抑制試験偽陽性:ピオグリタゾン、カルバマゼピン CYP3A4↑(肝臓でのデキサメタゾン代謝↑)、エストロゲン(Cortisol binding protein↑=Cortisol↑)

デキサメタゾン抑制試験偽陰性:肝・腎不全(デキサメタゾンクリアランス低下)

131-Iアドステロールシンチ:ステロイド合成体、副腎皮質機能を反映。クッシング症候群で使用

ちなみに123,131-IMIBGは褐色細胞腫で使用

Cushing病

8mgデキサメタゾンでしか抑制されない ACTH<0.5倍

CRH受容体、V3受容体が陽性⇒CRH負荷やDDAVP負荷でACTHが>1.5倍

鑑別

  • 異所性ACTH症候群
    • 下垂体静脈洞IPSまたは海綿静脈同CSサンプリングで判定。ACTH central/peripheral>2 CRH負荷後C/P>3
  • 偽性Cushing症候群
    • アルコール、うつ病ではCRH, DDAVP, 8mgデキサメタゾンに反応しない

治療

  • TSS有効性70-80%
  • ソマトスタチン(SSTR5 pasireotide),
  • 副腎皮質ステロイド合成阻害薬(メチラポン11βOH阻害しコルチゾール低下、即効性があるが可逆性⇔細胞傷害性のミトタンは不可逆的)
Cushing disease 36%異所性ACTH 3.6%その他 膵NET 甲状腺髄様癌 褐色細胞腫
microadenoma <1cm肺小細胞癌 50%気管支カルチノイド 16%
女性男性1:1
進行遅い進行早い 体重減少進行遅い
色素沈着-色素沈着+色素沈着–or+
低カリウム血症-低カリウム血症+低カリウム血症+

Nelson症候群

医原性。Cushing病の治療で副腎全摘後に下垂体腫瘍の増大(視野障害)+ACTH↑(色素沈着)

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視床下部障害型下垂体機能低下症

甲状腺機能低下:活性の低いTSH=TSH→↑

CRH試験:ACTH→↑

GHRP-2試験:視床下部GH↓下垂体GH↑、PRL↑DI↑

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ADH

ADH: 視床下部 視索上核、室傍核から分泌。

V受容体

V1a 心筋、血管、大腸平滑筋:血圧上昇や蠕動運動促進

V1b(V3) 下垂体前葉:CRHによるACTH分泌の増強

V2 腎集合管:cAMP上昇⇒水チャネルAQP2を管腔側細胞膜へ移動⇒水再吸収促進⇒尿量減少

尿崩症

尿量>3000ml/日、尿浸透圧<300mOsm/kg 

原因

特発性13%, リンパ球性漏斗下垂体後葉炎・IgG4関連下垂体炎・頭蓋咽頭腫(19%小児), 胚細胞腫(23% 胚芽腫 hGC, AFP)

家族性1%:wolfram症候群(糖尿病、視神経委縮、難聴)

リチウム:腎性DI

検査

Naは正常~正常上限

BUNの再吸収にADHが必要なため、脱水傾向でありながら、低下傾向を示す。

  • 5%高張食塩水負荷試験(心因性多飲のみが尿量減少・尿浸透圧上昇する)
  • バソプレシン負荷試験

治療

ADH(AVP) 作用時間短い。V1a受容体で血管収縮、血圧上昇、冠動脈攣縮、狭心症を起こすため、AVPアナログ=DDAVP(V2>V1)で治療する。

  • デスモプレシン点鼻 2.5-10mcg 朝・夕 冷所保存
  • ミニリンメルト 点鼻の10-20倍量を経口(点鼻2.5mcg=経口60mcg) 作用10時間
  • 水中毒を避けるため、DDAVPの効果が切れる時間帯をつくること(1-2時間/日)

SIADH

低血漿浸透圧にもかかわらず、ADH測定感度以上

(逆にADH↓するのはエタノール、オピオイド系、妊娠=後期尿崩症)

ADH V2受容体ダウンレギュレーション、レニンアンジオテンシン系抑制、Na排泄

尿浸透圧>300、 尿Na>20

UA<5 CUA

尿中AQP2の排泄が健常人より増加する

原因

肺癌・膵癌・十二指腸癌、肺炎・結核、髄膜炎・脳梗塞・出血

薬剤性SIADH(ビンクリスチン、シクロホスファミド、クロフィブラート、カルバマゼピン、ニコチン、PPI)

治療

Na110-120mEq/l+意識障害⇒Na>125を目標に高張食塩水。+フロセミド。ΔNa10-12mEq/L/24h

Na>125mEq/l ⇒水制限500-1000ml/日、塩分負荷10-15g/日

  • AVP V2受容体阻害薬デメチルクロルテトラサイクリン(急性腎不全に注意)
  • AVP V2受容体ブロッカーモザバプタン 異所性SIADH(最大7日まで)
浸透圧性脱髄症候群

MRI T1 low, t2 high。

四肢麻痺、仮性球麻痺(9-12脳神経障害 構音障害、嚥下障害、錐体路徴候)、閉じ込め症候群(眼球運動はできるが、表情や話す・動くができない)

リスク因子

  • アルコール依存症
  • 栄養不良
  • 慢性消耗性疾患。

MRHE

脱水があるかどうかのみ=CVP↓

高齢者における腎のNa保持能低下による軽度の体重減少を伴う疾患。近位尿細管Na再吸収↓レニン↓アルドステロン反応↓Na摂取↓

ADH亢進は体液量減少による2次的なもの

Cerebral salt waste syndrome

Na利尿ペプチド↑腎交感神経↓=Na再吸収↓

⇒フルドロコルチゾン=尿中Na↓

低張性低ナトリウム血症の鑑別

低Na, 低Osm, 急性・慢性化、重症度を把握する。

  • 尿浸透圧<100: 多飲、塩分↓、beer potamia
  • 尿浸透圧>100:
    • 尿Na<15-30mEq/L/kg
      • 細胞外液↑心・腎・肝不全
      • 細胞外液 ↓下痢、嘔吐
    • 尿Na>15-30
      • 細胞外液→二次性副腎不全、甲状腺機能低下症、SIADH
      • 細胞外液↓ 嘔吐、副腎不全、salt wasting、MRHE、 利尿薬、腎不全

中枢性摂食異常症

神経性食欲不振症AN と神経性大食症BN

95%女性

神経性食欲不振症AN

30歳以下に多い。

無月経、ボディイメージの障害、食行動異常

死亡率6-20% 飢餓による低血糖や心不全、感染症など

入院適応<IBW*0.55

所見

  • GH↑(IGF-1↓)
  • lowT3症候群
  • 視床下部性無月経(LH/FSH↓GnRH試験↓レプチン↓CRH↑)
  • ACTH/Cortisol↑
  • 偽性Cushing病(日内変動消失、デキサメタゾン抑制が効きにくい≒ストレス、うつ)
  • 慢性低血糖でインスリン分泌↓=高カロリー輸液で高血糖。
  • グレリン↑
  • 偽性Barter 症候群=嘔吐や下剤・利尿剤乱用=レニン・アルドステロン↑
  • 骨粗鬆症=骨形成抑制(IGF-1↓)骨吸収抑制エストラジオール↓

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