糖尿病専門医試験~特殊な病態~

勉強
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こんにちは。Emi(@Emi07033909)です。

糖尿病専門医試験対策に糖尿病専門医ガイドブックから、重要事項や、過去に出題された内容をまとめてみました。

参考文献は糖尿病専門医研修ガイドブック第8版からです。

間違いなどあるかもしれません。参照は自己責任でお願いいたします!

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入院の血糖コントロール

Van den berghe インスリン持続静注によって外科ICUにおける死亡率が低下した。(80-110vs 180-200)内科、外科合併解析でも死亡率は低下したが、DMありに限って解析すると強化で死亡率、低血糖が増加した。

NICE-SUGARでは81-108vs 144-180に設定したところ強化ではICU死亡率、低血糖が増加した。

⇒血糖管理は140-180目標 critical illnessでも血糖目標140-180

AMI

nonDMでも高血糖は予後不良、入院時高血糖と生命予後には負の相関がある。

スペイン140vs180だと>180で死亡率が増加した。DIGAMI研究では126-196が対象と比較して有意に死亡率が低下した。⇒イギリスでは<198にコントロールするようインスリン持続静注が推奨されている。

日本では2012年のレビューで162-198が最も死亡率が低く、>198<126で死亡率が高かった。⇒<200にコントロール

脳梗塞

入院時高血糖が機能的予後と関連する。

米国140-180, 欧州>180, ただし厳格な血糖管理でも機能的予後の改善はない。

SHINE試験では80-130 持続静注vs 80-179スライディングスケールでは機能的予後に差がなく、厳格な方で低血糖が増加した。

血栓溶解療法の治療抵抗性に高血糖が関与されており、>400はt-PA禁忌であり、治療は<185とすべき。

外傷

インスリン抵抗性が増加する。

頭部外傷で80-120vs<220では死亡率は変わらなかったが、低血糖が増加したため、NICE-SUGARstudyのように144-180を目指すべき

周術期

DM患者手術を受ける確率は50%、術後合併症頻度20-30%,入院も長期化しやすい。

手術適応は術前食前100-140, 食後160-200,尿糖<1+,尿ケトン陰性。

血糖>200,食後>300,尿ケトン陽性であれば手術は延期をすすめる。

血糖値に対する補正インスリンの投与よりも責任インスリンの調整を行う方がコントロールがよく、術後合併症も少ない

術中150-250mg/dl。ブドウ糖・インスリン・カリウム点滴

全身麻酔の時はブドウ糖150-180g/日を目安。

注意果糖=fructose toxicity(細胞内エネルギー危機、乳酸アシドーシスになるため、過剰投与は避ける。)

インスリン皮下注では血糖変動が悪化するので静脈内投与がよい。

BG、SGLT2阻害薬、高用量のSUは2日前までに中止。それ以外は継続。

術後しばらく食事がとれないときは150g/日前後のブドウ糖を非経口投与。

手術ストレスは3-7日でおさまる。

膵全摘=インスリン分泌枯渇=brittle diabetes、胃癌術後では急峻高血糖oxyhyperglycemiaになりやすい

栄養

PPN peripheral parenteral nutrition 25-30kcal/kg/d インスリン混注吸着10-30%存在する。

IVH intravenous hyperalimentation 高カロリー⇒TPN total parenteral nutrition

脂肪乳剤 TG(大豆油), 卵黄レシチン 注:血液凝固亢進、肝障害、脂質代謝異常

4週間以上経管栄養を継続する必要がある場合は消化管瘻を。PEG、PEJ経皮内視鏡的胃瘻・腸瘻造設

  • 消化態栄養剤:アミノ酸、ペプチド@crohn, 短腸,膵外分泌障害/吸収不良症候群。脂肪分が不足するため、脂肪乳剤の投与が必要。
  • 半消化態栄養剤:たんぱく質@嚥下障害、消化管の通過障害。脂肪も含まれている。
  • 糖質調整経腸栄養剤:糖質↓脂質↑(MUFA一価不飽和脂肪酸)血糖ピークやインスリン量を抑えることができる。例グルセルナ、タピオン、inslow、ディムス、グルコパル
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認知症

生後正常に発達した1つまたはそれ以上の認知機能(記憶、遂行機能、注意力、情報処理能力)が何らかの障害によって持続的に低下し、日常生活・社会生活に支障をきたしている状態。Alzheimer型の有病率が上昇している。食後高血糖と認知機能低下に相関。インスリンがアミロイドβ産生↑分解↓⇒血糖値の下限をやや高めに設定して高血糖を是正、血糖値の変動を最小限に抑える、合併する生活習慣病の管理を行う。AChE阻害薬、NMDA受容体拮抗薬

周辺症状BPSD

徘徊、不穏、興奮、易怒性、攻撃性、不安、うつ(抑うつ気分、喜びの消失)、幻覚、妄想

注意する薬剤

禁DM:オランザピン、クエチアピン、クロザピン。アリピプラゾールを警告にとどまる。

リスペリドン、ペロスピロンなどは慎重投与

非定型性抗精神病薬はヒスタミンH1、セロトニンblockerにより体重↑脂質↑糖代謝異常↑

DASC-8

DASC-8得点10点以下11-16点17点以上
カテゴリーカテゴリー Ⅰカテゴリー Ⅱカテゴリー Ⅲ
認知機能とADL認知機能正常ADL 自立MCI ~軽度認知症手段的ADL 低下中等度以上の認知症基本的ADL低下

ADL

  • 基本的ADL:入浴、トイレ、移動、食事。評価Barthel index, DASC21DASC8
  • 手段的ADL:買い物、金銭管理、交通機関外出、服薬管理。評価:Lawtonの指標、DASC21DASC8
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疫学・機序

1型糖尿病では低血糖でも認知症リスク上昇

糖尿病患者:BMI 低値,体重減少(10 %以上)と 体重増加(10 %以上)が認知症発症の危険因子

メカニズム:動脈硬化(梗塞)・微小血管障害(血流低下)・糖毒性 (AGE,酸化ストレス,グリケーション)・インスリン(アミロイドβ沈着促進)⇒病理学的血管性、加齢性、アルツハイマー型認知症を引き起こす。+ 低血糖や脳のグルコース利用低下,インスリン作用低下などの影響も

アルツハイマー病では局所的にグルコース代謝が低下している.血液脳関門レベルでのグルコース輸送や,アストロサイ トならびにニューロンにおける乳酸やグルコースの代謝が加齢や神経変性に伴って変化する可能性が指摘

デュラグルチド REWIND 試験で認知機能(MoCA および DSST で評価したところ、抑制されていた。

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